メンテナンスオイル

最近日差しが強くなってきましたね。
本当に梅雨はやってくるのでしょうか?

日差しといえば日焼け。日焼けと言えばヌメ革。
日差しの強い日に車のダッシュボードに置くだけで
あっというまに焼けますよ。

んでふと思ったのですが、
どうしても作り手目線で見てしまうと、
この財布を作った時にココは時間かけたから見てくれ!とか
この素材はすごくこだわったんだよ!とか
この製法ヤバいでしょ?見てよ。とか

そーいうのより、もっと使い手目線で見た方がいいと思うんですよね。
購入して実際に使い続けるのはお客さんなわけだし。
コバなんかひと月使えばガサってくるし、縫い目なんかは一週間もすれば汚れてくるし。
もちろん新品時点の見栄えの良さも重要なのですが、
それ以上に購入したお客さんが使い始めた後の事のが大事だと思うんです。

前置きが長くなりましたが、今回はメンテナンスオイルについて掘り下げます。
お客さんのお話を聞いてると思いのほかヌメ革のメンテがわからない。
という方が多かったので。
毎日使ったらブラッシングしてコバ磨いて陰干し!
とかそこまでこだわらなくても、何年かに一度オイル入れてあげればいいんですよ。
あとは極力濡らさず使ってればおk
万が一濡れたら、乾く前に全部濡らして生乾きの時にオイル入れときゃいいんです。
水染みは乾いた部分と一度濡れた所の色の差なんですから。

話は戻って経年変色なんですが、同じ場所で仕入れた革でもロットによって大なり小なり個体差はあるので
どうしても濃淡や変色が均一にならない事があります。
使用頻度や日照時間によることが多いですが、革として仕上がった時点での
オイルの入り具合なども関係してますね。

んで問題はコイツなんですが

上蓋や周辺部分に比べて、明らかに前ポッケだけ異様に日焼けしてんすよ。
かなり自己主張してるのでどうしたもんかと。
これってお客さんにもニーズあるんじゃないのかな?と思いまして実験してみます。

同じロットの近い部位で同じ時間費にあてた時に入れるオイルによってどのように違いが出るのか?
という実験です。
この実験で、使い手の方でヌメ革の色のコントロールが出来ないかな?と。

ノンウォッシュデニムを理想の色落ちに育てるにはどの様に履いて、どのように洗えばよいのか?
サイズ選びは?洗剤の有無は?過去にそんな所で働いてたので、この手の話は大好きですw

というわけで今回用意したのはこの三種類。

一番手、Mustang Paste
アメカジ業界で一時期一世風靡したコイツ。
前の職場で買ったもの。
100%天然馬油。一般的なオイルに比べてべたつきが無く、
浸透力の良さは目を見張るものがあります。

二番手、OBENAUF’S Heavy Duty LP 
越谷の巨匠からオススメされたブーツオイル。
アイダホ州の野生保護区消防士の為に開発された天然保革オイル。
蜜蝋入りなので多少のポリッシュ効果も見込めるのがポイント。

三番手、BOSCO Extra Virgin Olive Oil
個人的に一番気になってるのがコレ。
一般家庭にある油でなにか探してまして、サラダ油、ごま油とまよったのですが、
天然皮革に一番相性が良さそうだったのでこれにしました。
匂いもあまり気にならないのもポイント。

以上三点とオイルなしの4種類で日焼け実験してみたいと思います。
革はグレージング仕上げのAランク栃木レザー、生成りです。
もちろん同じ個体の近い部位から切り出してます。

ササっと貼り付けてぬりぬり。

画像左から塗布前、3分後、60分後。
種類は左からオイルなし、マスタングペースト、オベナウフス、オリーブオイルです。
(つづりを間違えてて、あわてて60分後だけ直しましたw)

明日からこれを車のダッシュボードに置いて月一で塗り込んでいきます。
現時点でオリーブオイルだけ明らかに色が濃いですね。これが日焼けするとどうなるのか・・・
楽しみです。